私が「演奏者にとってのオーディオ」を推奨しているのはご存じと思います。何もマニアのような超高級オーディオ装置を買い揃えるという意味ではなくて、「今までよりも良い音で聴く努力、そして実行をする」という意味です。
実際に実行してくださった何人か他の方から、「今までとは聞こえてくるものが全然違います」とか、「今まで聴いてきた演奏とは思えない」とか、または「実行しなければ、知り得なかった音の世界を知りました」とかの感想を頂いています。
それらの「別世界」は、私が提供したものではなく、私の手柄でも無く、全てご自分の努力と行動で知った、「事実」なのです。私が関わっていたら胡散臭い話と勘ぐる方もいらっしゃると思いますが、私の全く関わっていないところで「新たな世界」を感じ取れたことこそが、重要であって、信頼性が高い話しなのです。
さて、話を戻します。
「高音質」のオーディオで音楽を聴いてみると、これまで以上に低域~中域の表現力が違うことに気づくと思います。もちろん高域の音も違いますが、一番違いが出るのは低~中域のはずです。楽器の豊かな鳴りが違ったり、空気感(音場感)を感じるのも、実はこの周波数帯域です。
なぜそのような周波数帯域が重要なのかというと、人間が判別しやすいからなのです。
良いオーディオ装置だと、その辺りが正確に、分離させて再生されます。だから指揮者が舞台を歩いてくるコツコツという音から舞台の大きさを感じ取れたり、ピアノの筐体を感じ取れたりするのです。
これは、ヴァイオリン場合でも同じです。一般的にヴァイオリンというと、高域の音色の話題になりがちです。もちろん、間違いなくそれも重要です。
しかし高域の音色以上に重要なのは、低域~中域の周波数帯の音色なのです。良い楽器は、その辺りもとても素直によく出ています。そういう楽器は演奏者が弾きやすい(音程を取りやすい)だけでなく、聴いている聴衆の感情(生理的反応)を引き起こしやすいのです。
だからヴァイオリンを選ぶときに、低~中域の比較的低い音も意識して選ぶ必要があるのですが、いざ「意識するように」と言われても、なかなかわかるものではありません。
そこで重要なのが、普段から「良い音で聴く」ことをする習慣を付けることで、無意識に良い音を理解できるようになる訓練なのです。
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