「コロナ禍で、楽器ケースに仕舞いっぱなしにしている楽器のトラブルが多い」という事を書きました。楽器をケースに入れっぱなしにしていると、これほどまでにトラブルが起きやすいのだと、私自身が驚いているくらいなのです。おそらく、平常時よりも湿気が想像以上に籠もってしまうのでしょう。

 ちなみに、コロナ禍のトラブルは、楽器だけでは無く、弓の方にもあります。それは、毛替えをしないで、しかし自宅にて練習したりしている人に多いのです。

 例年のタイミングで毛替えをしていないため、毛の長さがとても長くなってしまっている人が多いのです。特に前回の毛替え作業を、下手な楽器店(または工房)で行った場合、元々の張った毛の長さが毛替え直後から既に長いのです。

 その長めの毛が、コロナ禍と長梅雨のせいもあって、極端にダラダラに長くなってしまっているのです。

 その限界までに長く(緩く)なってしまった弓の毛を、それを知らずに、ネジを巻いて馬毛を張って練習をしようとしたときに、フロッシュがそれ以上後ろに動かなくなり、それでも無理に回してしまってフロッシュの雌ネジを壊してしまったり、最悪の場合には雄ネジを差し込んで固定している8角形のネジ取っ手の部分を割ってしまうのです。

 このように、ご自分で問題ないと判断していても、そうとは言い切れないのです。手遅れにならないうちに、調整に出してください。

 

補足:この手のトラブルは、何もコロナ禍だけでの話ではなく、長期間毛替えをしない方において起こりやすいトラブルです。

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